ブランド説明
ノルウェーの商船隊の船長だったヘリー・J・ハンセン。彼は37歳で船乗りをリタイアすると、フィヨルドに面した港町モスに"オイルスキンクロス&キャンバス工場"を設立しました。1877年のことでした。プロ向けのオイルスキン製造を始めたこの小さな工場こそ、現在では世界中のセイラーたちに信頼されているウェアブランド、ヘリーハンセンの起源なのです。第1号の製品は、亜麻仁油をしみこませたセイルキャンバス製の消化バケツ。そして翌年にはパリ万博の展示会で、シーマン衣料部門のデザイン賞を獲得。1950年にはウェルダー縫製による世界初の完全防水ウェアの商品化に成功しました。130年以上を経たいま、防水テクノロジーの進化とともに新たな防水ウェアを市場に供給し続ける、ヘリーハンセンです。
ヘリーハンセンの高機能な防水ウェアは、北海油田で働く人たちやオーシャンレースに参加するセイラーたちだけのものではありません。現在では、スノーフィールドで滑降するスキーヤーやスノーボーダーをはじめ、山岳ガイドや多くの登山家・冒険家たちのチャレンジにとってなくてはならない装備になっています。今日のノルウェーでは、大自然の中をトレッキングする際にも、海辺のキャビンで家族や友人と過ごす週末にも、彼らに選ばれているウェアが、ヘリーハンセン。海や山を知り尽くしたブランドだからこそ、すべてのアウトドアスポーツを快適で機能的にサポートすることができるのです。
1877年、ヘリー・ジュエル・ハンセン、ノルウェー港町モスで創業
1877年、ノルウェーの港町モスで、商船艦長を務めていたヘリー・ジュエル・ハンセンが防水ウェアメーカーを設立。当時の船乗りたちを苦しめていた寒さや雨、雪、スプレーなどから身体を保護する、しなやかな防水ウェアの発明に成功した。
1878年、パリ万国博覧会に防水衣料のコレクションを出展、最優秀賞を受賞
キャンバス地に亜麻仁油を染み込ませ、特殊加工した防水コートのコレクションを創業翌年のパリ万国博覧会に出展。当時としては画期的な防水性が話題となり、最優秀賞を受賞。ヘリーハンセンの名声は瞬く間にヨーロッパ中に広まった。
1879年、FIRE BUCKET(消火バケツ)の製造を開始
1870年代の終り、港町モスは細い路地沿いに民家が密集し、火災対策は最優先事項だった。ヘリーハンセンは防水ウェアと同じオイル塗りキャンバス製の消火バケツを製造。軽量で、海岸から汲み上げた水を火元まで手渡しで運ぶことができた。
1924年、防水性に優れるリノックスの開発に成功
ヘリーハンセンは1920年代に新素材"LINOX"を開発。防水性に優れながら従来品のように油のべとつきがなく、美しい光沢の生地が人気を博した。"LINOX"は新しいレインウェア素材として、その後30年以上にわたりベストセラーを続けた。
1932年、コルクとカポックを使用したライフジャケットを開発
コルクとカポックを防水キャンバスで覆ったライフジャケットを製造し、ノルウェー海軍に供給。シンプルな構造ながら、安全性と快適性の両立を実現。ヘリーハンセンの名を国内外へと一気に広めるきっかけとなった。
1949年、PVC極薄シートを基布にした軽量の防水素材ヘロックスを開発
新素材"HELOX"の開発は、ヘリーハンセンにとって大きな躍進となった。"HELOX"は半透明のPVC(ポリ塩化ビニール)極薄シートを基布に縫い込み、軽量化した防水素材。そのレインコートは当時の必需品といわれ、月産3万着を記録。
1961年、フリースの祖先ともいえる保温・断熱素材ファイバーパイル™を開発
1960年代のアウトドアウェア市場に強烈なインパクトを与えたのが、"ファイバーパイル™"。この新しい断熱素材は、保温性と軽量性、速乾性に優れ、アウターとなる防水ジャケットと合わせて着用するレイヤリングという概念を生んだ。
1974年、最初のサバイバルスーツを世に送り出す
極寒の地、ノルウェーでは流氷の浮く海に落ちたら5分間と生きられない。そんな海で働く男たちのウェアは、生命維持のための防水救命着だった。サバイバルスーツは、流氷の海でも9時間は生き延びられる保温性と防水性を備えていた。
1979年、ポリプロピレン製のオリジナルスポーツアンダーウェアLIFA®を開発
ヘリーハンセンが目指していたレイヤリングシステムの構築は、"LIFA®"の開発で完結する。繊維内に水分を吸収せず、繊維の中で最も熱伝導率が低く、軽量で速乾性に優れるポリプロピレン製のアンダーウェアは、肌をドライに、暖かく保ち続ける。
1980年、独自の防水・透湿素材ヘリーテック®を開発
オリジナル防水・透湿素材ヘリーテック®を使用したアウタージャケットを開発。防水性に加え不快なムレや結露に悩まされることなく、ウェア内をドライで快適な状態にキープするジャケットは、当時のアウトドア産業に大きな衝撃を与えた。
1986年、3層からなる重ね着スタイル、3レイヤー・システムを発表
「ベースレイヤー」「サーマルレイヤー」「プロテクティブレイヤー」の3層を効果的にレイヤリングする3レイヤー・システムを発表。テクニカルな各ウェアを組み合わせることで機能の相乗効果を高める独自のスタイルを確立した。
1990年、ノルウェー南極探検隊をはじめ、数々のアドベンチャーやヨットレースを支援
1990年のノルウェー南極探検隊のエクスペディションをはじめ、ボルゲ・オウスランドの北極単独行など数々のアドベンチャーをサポート。さらには、アメリカズカップ、VOLVOオーシャンレースといった世界的なヨットレースを支援する。
2004年、ウォータースポーツに理想的なフットウェアを完成
ウォータースポーツに理想的なフットウェアを完成させ、世界同時発売。クッション性、グリップ性、安定性、プロテクションといった基本性能はもちろん、「排水」というアイデアを盛り込んだ「W2テクノロジー™」が注目を集めた。
2006年、単独世界一周レースVELUXファイブオーシャンズに挑む白石康次郎をサポート
灼熱の太陽が照りつける赤道付近を通過し、気温が5度以下となる南氷洋を進む、118日間の航海。VELUXファイブオーシャンズ単独世界一周ヨットレースに挑んだ白石康次郎に「赤道仕様」と「南氷洋仕様」のウェアを提供してサポート。
2008年、VOLVOオーシャンレースでエリクソン艇をサポートし総合優勝
2008-09 VOLVOオーシャンレースでは、ヘリーハンセンがサポートするERICSSONレーシングチームが総合優勝。全10区間のうち、7区間をトップでフィニッシュする圧倒的な強さを見せて、北欧チームの総合力の高さを世界に知らしめた。
創業以来137年にわたり防水テクノロジーを追求し、革新的な製品を開発してきたヘリーハンセン。セーリングをはじめトレッキングやスノースポーツなど、海から山までのさまざまなアクティビティを快適かつ機能的にサポートする製品を提供し続ける。